ニオイに関する悩みってなかなか人には相談しにくいですよね。
特に、海外では一般的な「わきが」も日本人では差別されやすいニオイの一つです。
ニオイは周囲からも指摘されにくく、周りの反応に気づいたり自分で自分の臭いに気づくことで自覚するようです。
でも臭いと言われても、どうすればいいの?とまた悩んでしまうと思います。
そこで今回は、ワキガ対策として知られている治療法とその特徴についてまとめてみました。
ニオイに悩む方は参考にしてみてください。
目次
わきがの原因
ワキガとは脇の下にある汗腺「アポクリン汗腺」が原因となります。ワキガのニオイはこのアポクリン汗腺から分泌された成分に細菌が繁殖し分解する事で発生します。アポクリン汗腺は人によって量や大きさが異なります。量が多く大きさが大きいほどワキガのニオイが強くなると言われます。
新田皮フ科形成外科より
ワキガは、汗と菌が混ざることによってニオイを発生させています。
アポクリン汗腺から出る汗には、脂質やタンパク質・糖質・アンモニアが含まれており、この成分が原因で特有のニオイとなります。そのため、食事バランスなどの生活習慣によってニオイの強さが変わると言われています。
また、原因となるアポクリン汗腺は大抵の人にはあるもので、汗腺の量や、活発さ、汗の量には個人差があり、汗腺が多くて活発であるとニオイが強くなってきます。これは体質によるもので、遺伝によって子へと引き継がれている場合が多くなっています。
自分で気づく、わきがのセルフチェック
ワキガは、ニオイの他にも衣類への着色や耳垢に特徴があり、自分でも気づくことができます。気になる方は以下にあるセルフチェックをしてみてください。
①下着やシャツの脇の下に黄ばみができる
②耳垢が湿っている
③両親・親戚にわきが、多汗症の人がいる
④わき毛が多い、白い粉がつく
⑤すぐに汗をかく
日本と世界のわきが事情
日本では10~15%の人がワキガであると言われています。およそ10人に1人がワキガであると言えますね。意外と多いイメージです。
男女で見ると、これもちょっと意外で女性の方の割合が少し多いようですがほぼ同じです。
ニオイで言うと男性のほうが臭いイメージがありますが、加齢臭や汗臭などがあるので、ワキガとなると少し違うようです。
それでは、日本以外で見るとどうでしょうか?
外国人は体臭があるイメージが強いですが、
黒人は100%、欧米人は70%
と日本人の倍以上の割合だそうです。イメージ通りですね。
ここまでの割合であれば、ワキガ臭いが一般的で認知されているので、日本のように少数派のワキガの方と違って受け入れられているんですね。
ここには体質の他に食生活などの生活習慣が関係しているようで、肉や乳製品などの脂質、タンパク質が多い食生活では、ニオイも強くなる傾向にあるので、日本伝統の和食はニオイを軽減する意味でもカラダに良いようです。
わきがの治療法
手術(剪除法)
わきの下を切開して、ニオイの原因であるアポクリン汗腺を、目で確認しながら一つ一つ切除していく方法です。また、多汗症の原因となるエクリン汗腺も除去もできるので、吹き出るような多汗症を改善することも可能です。
ただし、すべての汗腺が取り除けるわけではなく、80%前後を除去できると言われています。しっかり除去できていれば、理論的には再発しませんので、執刀医の知識と経験によるところがありますので、病院選びには注意が必要です。
また、切開をしますので、傷口が治るまでの間は入浴や力仕事などには1~2週間の制約がかかります。その後傷口が治っても傷跡が消えるわけではありませんので、傷跡が気になる方にはおすすめできません。
費用の相場は20万から30万円程度です。
手術(シェービング法)
局所麻酔後、皮膚を数mm程度に小さく切開して行う手術です。
刃がついた特殊な器具を差し込み、汗腺を削りとると同時に吸引します。
剪除法と比べると傷跡が小さく、術後の生活制約も少なくすみます。
汗腺を取り除くので効果は半永久的に持続しますが、ドクターの技術を要する治療なので、病院選びには注意が必要です。
費用の相場は30~40万円程度です。
ボツリヌス製剤の注射(ボトックス,ニューロノックス)
ボトックスには交感神経の働きを弱める作用があり、発汗する部位であるわきの下に注入することでアポクリン汗腺やエクリン汗腺といった汗腺の活動を抑制し、汗の分泌を抑えることができます。手術とは違って入院も不要で、治療も10分程度で完了します。皮膚の切開がないので、傷跡が残る心配もありません。
注射の前に麻酔を打つことで痛みも軽減できます。
注射してから4~7日後に効果が表れ、6~10ヶ月持続するといわれています。なので、一時的なもので永久的に持続する治療ではありません。
費用の相場は10~15万円程度です。
ミラドライ
出典:ジョウクリニック
ワキに特殊な電磁波を照射することで、肌の表面に傷を付けることなく、傷跡も残さずに汗腺を破壊する方法で、手術同様に半永久的に効果があると言われています。
アメリカ政府機関のFDAの承認を受けた医療機器です。
傷はありませんが、治療後の1週間程度は入浴などに制約があります。
費用の相場は30~40万円程度です。
ビューホット
出典:ジョウクリニック
高周波の照射針をわきの下の皮膚内部にあるアポクリン汗腺やエクリン汗腺の深さまでさして、高周波(RF)を照射することで汗腺を熱変性させる治療です。
従来のレーザー治療では、ムラなく照射するためには高周波の重ね打ち部分ができてしまい、過剰な熱変性が起こってしまいます。しかし、ビューホットでは高周波が垂直方向ではなく水平方向に広がる特殊構造のため、熱エネルギーが楕円形に広がり、垂直方向への高周波の重ね打ちが減り、水平方向にも照射漏れが生じにくくなり、ムラがない施術が可能になります。
治療は20分程度で完了し、汗腺自体を焼いてしまうので、半永久的に効果が持続し、術後のケアもほぼ不要です。
費用は30~40万円程度です。
その他のわきが対策
手術や治療以外にも、簡単にできて効果的な対策として、日常のケアやデオドラントなどがあります。こちらについては別の記事に書いていますのでご覧ください。
まとめ
今回はわきがの治療法についてまとめてみました。
手術やレーザ治療、ボトックス注射など様々で、安いものではありません。そして、術後のケアや傷跡については慎重に検討したほうがいいと思いますので、お医者さんとのカウンセリングなどでしっかりと自分が求めている対策になるように勧めていきましょう。
不安がある方や、値段が高額だと悩んでいる方は、まずはデオドラントなどできるところから始めることをおすすめします。
リスクも少なく効果もありますので、ぜひ試してみてください。
参考:日本橋形成外科、『男の快適生活』~男性のQOL向上を目指して役立つ情報を発信、ジョウクリニック、横浜マリアクリニック